もるちゃんねる

絵をかいたりするいきもののわすれんぼめも

【セイキズ】いちご売れ

創作企画【世界に正義と絆の未来を】の小説です、キャラクターお借りしています

 

 

 

唇なんか狙うな、ハートを狙え

 

 

あのときいくら君にプレゼントあげても俺からじゃ足りなかったんだろうなあ

 

 

雪がちらつく街のなか、3人の男たちが話していた

 

 

「クリスマス……どーする?」

「……モンスターが出なければ……ねぇ……」

「というかペア見つけなきゃきえちまうのでは」

「そうでした……」

ぼーっと歩きながら幼なじみの話を聞いていた、ハロウィン終わったら街はクリスマス……早すぎねえか~~

 

「も、もずはもしクリスマスオッケーならどうすんの?」

ちょっと申し訳なさそうに純弥が声をかけてきた

「……あー、昼間はバイトしてるから夜は毎年通り遊べると思うけど」

「そっか……やっぱりペアかモンスターが出るか出ないかだよなあ」

「んなもんモンスターは出たらぶっ倒しにいきゃいいんだって!」

「テツらしいけどクリスマスでパーティーしてるところから出てくのはさぁ~~…」

「まあ男3人だけどさ」

「………………」

「女の子呼ぼうぜ~~!!」

「そうだ!もず顔広いだろ!」

「広くねえよ……女の子は人子くらいかな……でもあいつペアいるし大食いだしな……ケーキもチキンも全部食われちまう」

「まだ11月というのにもうクリスマスの話ですか?街も貴方たちも浮かれていますね、11月ですよ?」

「えっ誰の声」

テツがゆびをさした

その先には視界にいなかった小さな女の子のお巡りさんが

「あー、お巡りさん、通行人の会話に入ってくるとは暇なの?」

「暇とはなんですか暇とは!私はパトロール中です!あと人に指を指してはいけません!子供の頃に習いませんでしたか?」

「お巡りさん話に入ってくるってことはクリスマス会にこねー?女の子の参加者さんほしいんだよね!」

「テツ……無茶言うなよ……」

「そうです、無茶です、クリスマスには浮かれるおばかさんとモンスターが出たら困るので特別警戒のお仕事があります!お巡りさんは忙しいのです」

 

 

「そんなに女の子とクリスマスを過ごしたいのであればまだ時間はあるので彼女でも作ればよいのでは?あなたたち3人ともいないのですか?今どき珍しいような気もしますけど」

「ほら、俺たちヒーローだからさ……ペアの子みつけるくらい難しいというか……」

「ヒーローって言うと短命とか嫌な顔される場合もあるよなーモンスター倒してるのは俺たちなんだけど!むー!」

 

なるほど難しいこともあるのですねと納得しかけた小夏だったがもう一人いるのを忘れていた

 

「おや?そこの人の名前を覚える気無し男さんはどうなんですか?」

と、いった瞬間鉄将と純弥はしまった!という顔をした

「もずはな!ラーメン屋忙しいもんな!」

「そうそう!で結局3人であそぶよな!」

「?ははーん?人の名前を覚える気無し男さんさては名前を呼び間違えて嫌われたとかあったりするのでは~?というか恋をしたことなさそうな気もします、中身もおこちゃまなの……」

「俺だって好きな人くらいいたよ」

と百舌は小夏に聞こえるように言葉をこぼして立ち去ってしまった

 

鉄将と純弥は、あ~~、、、とやってしまったという顔をしていたのをみて小夏は自分がやらかしてることに気付いたが何をやらかしてるのかがわからなかった

 

 

「わわわわ私いまやらかしてしまいましたよね!?やらか、やわらかせんしゃ違うやらかしてしまいました!!!口が滑ってしまった~~ああ~~~~~~~~!!!!!」

「あ、あーうんたぶん大丈夫だろうけどちょっとやらかしてしまったかも……」

「まああの子のことはわすれらんねーよな……」

「あ、あ、あの謝りに行ったほうがよろしいとおもうのですが理由を知らないと謝りにもいけないので教えていただけたら……あ、無理ならなんかこう、人のプライベートゾーンに入ってしまい~とかあ~~ウーーーン!」

「大丈夫ですよ、話します!もずも話したくなかったり知られたくなかったら無視して立ち去ってたと思うし!」

「まあなーもずも進めないことあの子のせいにはしたくないだろうし」

「あのこ……」

「えっとね……お巡りさん……」

と純弥の口から昔話が始まった

 

まだ3人の身長が180や170もないとき、もずの家の近所にかわいらしい女の子が住んでいたこと

その女の子は病気だったので学校を休みがちだったこと

家が一番近かったもずがプリントのお届けや勉強のついでに遊び相手になっていたこと

もずがプリントを届けようと家のチャイムを鳴らしても親が出てこず心配になっていたがとりあえず今日は帰って次の日の学校でその女の子は初雪が降った昨日、亡くなったこと

 

 

「ってことなんだけど……って!お巡りさん!」

「あわわ泣かないでくれよ!」

「オオオオン!かわいそうじゃないですか!健気に仲良くなった子が突然亡くなっちゃうなんて……かわいそうですよぉなんてことを私を言ってしまったんでしょおお……」

「好きな子ってたぶんその子のことだと思うけどさすがに俺らも突っ込んではなせなくて……」

「亡くなった直後はすごいもずおとなしくなって無口で笑いもしなかったから……一ヶ月くらいだったけど……俺たちもなんて声かけてよいやらで……」

「私!謝ってきます!それはもう謝罪の心をこめて許してもらえなくとも!真道小夏!行きます!」

と小夏は走り出した

「い、行っちゃったぞ?」

「大丈夫だといいけど……」

 

 

「そこのっ!赤ジャージの!そう、ラーメン屋さん!止まってくださいっ!赤ジャージ!」

「んあ?さっきのお巡りさんか」

 

 

 

「ごめんなさいっっ!!!!!!!あなたとあなたの好きな人を侮辱してしまいました、警察官として、いえ人として本当に申し訳ないことをしてしまいました、許してくれとは言いません!ただ謝らせてください!」

「ンン?あー二人に聞いたのかあの子のこと……」

 

直角にお辞儀をしたまま小夏は動かない

 

 

 

「あの……そろそろ頭あげてくんないか?お巡りさんに謝られてるのちょっと図としておかしいから……」

「いえ!無礼をしたのは私です!土下座をしろと言うのならもちろん土下「やんなくていいから!!!ほら顔あげて……」

百舌は直角になっている小夏の肩をもち顔を上げさせた

 

「まーねー、あの子のことは好きだったよ、好きだったけど、死ぬのが近いこと知ってたんだ、いつか死期がくるのがわかってた、でも思ったより早かったから?なのかはわからんけどただ落ち込んでた、涙が出ないくらい」

「でもふたりが考えてるのと違うのは俺が単純に言わないだけであのこかわいいなとかあのこきれいだなとは思うんだよね」

「えっっっ!!!!!!!恋心封印したとかそういう展開じゃないのですか!??普通心を閉ざした少年がもう恋なんてしない的な!!!」

「俺そんな恋をしないとか振り向いてもらえなくとも愛し続けるような聖人じゃなくてヒーローだもーん、その命もクリスマスまで持たなそうだしな、、でもあいつら3人一緒だと怖くねーか!」

にっと百舌は笑った、消滅するのに、死んでしまうのに、なんでこの人は笑っていられるんだろうと小夏は戸惑いを隠せなかった

「いい人見つかればいいけどなー」

「なんでそんなに明るいんですか……死んでしまうのに……死んで……消えてしまうのに……」

「へ?」

「かけがえのない命ですよ!それを軽々しく考えてはいけません!軽く死ぬとか!言わないでください!」

「だってヒーローの決まりで……」

「じゃあこうしましょう決まりは守らなければいけません!もずさん、私とペアを組みましょう!そうすればもう一度命の大切さを考えるときがくるはずです?って私は何をいってるんですか?」

「おい!しらねーよ!!!」

百舌の変身ペンダントが光り出した

「えっ!?ペア成立!!!???」

「えっっっ!!!??」

「いまの無し!いまの無し!」

百舌が必死にペンダントを振ったり叩いても光り続けるペンダント

「こんな簡単に成立しちまうのかこれ……」

「もずさんの返事聞いてませんでしたよね……一方的に話して成立してしまいました……」

 

 

一息ついて……

「まあ、よろしくたのむぜお巡りさん」

と百舌は手を伸ばした

 

「は、はい!もちろん!避難誘導はお巡りさんにお任せください!」

 

小夏は伸ばされた手を掴んだ

 

 

 

 

 

「(背も手もちっこいなぁ…)」

「(手、あったかくておっきいなぁ……)」