創作企画【世界に正義と絆の未来を】の小説です、キャラクターお借りしています
「はぁ~おべんと自分で作ったのに忘れるってどゆこと……」
購買部で買ったパンを開けながら猪亦やいろはため息をついていた
「やいろの不運でたー!」
「不運じゃなくてばかなのでは?」
「うるさいなー!カバンに入れたと思ってたの!」
友人たちにからかわれながら屋上でお昼タイムである
自分が得体のしれないものと戦うヒーローなんて気にもせずリラックスして、あの子は誰それがすきとか、あそこのパンケーキはおいしいだとか、他愛もない話をして、なんと平和なことか、大体食べ終わったところで
「んっそろそろもどろうか?」
「そうだね早めにいこうか」
と友人たちと屋上から教室にもどる途中、特別講師の授業を聞きたい学生募集の貼り紙を見つけた
「いしかど……りゅう……石門……石門立!!!!!????」
「ど、どうしたのやいろ」
「わ、わ、わ、わわたしの好きな脚本家さん!!!えっこれ学年決まって……ないいつから貼り出してたのかな~~~!?希望者は山崎先生まで……まだ大丈夫かな?わたしこれの受付きいてくる!先帰ってて!!」
と急いで行ってしまったやいろ
ぽかんとおいてかれた友人二人
「どうする?」
「まあ、先に教室にもどっとこ……」
「山崎先生いますか!」
「はーいなんでしょう」
「貼り紙の石門立さんの講義受けたいんですけど!」
「あーあれ結構人気でね、枠があと二、三人だよ、よかったね」
「不運発揮しなくてよかった~~~!」
「受講者男子ばっかだけどねえ」
「石門さん特撮の脚本家することが多いですからね!」
「おっ?ということは君も特撮見てるのかい?」
「石門さんは昔すきだったドラマの番外編担当してて、それがめちゃくちゃ面白くて!そこから名前探したら特撮系の脚本やってるって見つけてから見てます!」
「はは、そうかそうか熱く語ってもらったところはいいが教室に帰らないと危ないところだぞ」
「ギャッ」
「とりあえずこの名簿に名前書いてね、そしたらもう行って大丈夫」
「はい……」
講義当日
い、一番最後に来たら一番前しか空いてなかった……な、なぜ……前で聞こうと思わないの……遠慮……?はずい?はずいの……?
ガラッと教室の戸が開いて、茶髪にゆるそうな格好をした男が入ってきた
「こんにちは、今日特別講師をさせていただきます、石門立、りゅうは立ったり座ったりの立つと書きます、よろしくお願いします」
(こ、この人が脚本家の石門さん…!)
石門の授業は脚本の初歩的な書き方から現在過去の手掛けた作品の裏話などやいろのすきだったドラマの話も出たりしてわくわくするような話がたっぷりで特撮ファンの学生から質問攻めがあったりと実に興味なさげだった学生も笑ってしまうような楽しい授業だった
「あっもうこんな時間か、それでは今回はここまで!君達がもっかいやってほしいと訴えてたらまた授業ができるかもしれません、もちろん卒業して私のやるドラマのスタッフになって会えるかもね、じゃあ私の授業を終わります、いつかまた!」
と言って去ろうとする石門に熱の上がった男子生徒から指笛や石門コールがなりやまず石門はハハハと笑いながら去っていった
一方やいろは
「きみとのはなしかた(やいろのすきだったドラマのタイトル)の番外編にあんな裏話が……今放送中の特撮の敵にあんな悲しい話があったなんて……ウッ」
泣いていた
「……皆出てるしそろそろ帰らなきゃ……」
「石門さんの授業が最後だから……あっ今日バイト休みじゃん……スーパーでなんか買って帰ろうかな」
ガシャーーーン!!!!!!!!!!
と窓ガラスの割れる音がした
「な、なに!?」
やいろは急いで外に出た
5メートルはありそうなモンスターが大学の建物を殴り付け怖そうとしていた
「モンスター!!変身!」
やいろはマスクをつけヒーロー・ビーストダンスに変身した、ある程度の大きさなら変形できる武器、現在は鉄パイプ
「はぁあああああ!!!!!」
鉄パイプでモンスターの脳天を狙った
「グオオオオオオオン」
ヒーローになりたてで格闘家などの経験もないやいろにこんな大きな相手は防戦一方だった、しかも大学構内なのでヒーローがいるのかすらわからず助太刀も望みが薄い
モンスターに吹っ飛ばされて地面に落ちているときにやいろは
(どうしよう……負けちゃうよ……モンスターが大学を出たら他のヒーローがいるかもだけどここを離れる訳にはいけないし……)
「キミ!大丈夫か!」
「……ん?さっき聞いた声……」
「見てたぞ!キミ、ヒーローなんだな!」
「ここは……あぶないから……に……にげて……」
「私の甥がヒーローなもんでね、少しヒーローの決まりには詳しいんだ、起きれるかい?」
「は、はい……い、石門さん!?」
「顔は隠れてわからないがさっきの講義にいた子かな……戦い方見てたよ、まだ生まれたてのヒヨコちゃんだ」
「大きな実践経験ないもので……」
「モンスターは大きいし大学という限られた敷地に君以外にうまいことヒーローがいるというのは難しい……その前に建物がほとんど壊れてしまう……」
「わたしもそれをどうしようかと……」
「そこで、私とペアを組まないか?」
「えっ!石門さんをそんな危ないことに巻き込めません!」
「さっきもいったろう、私には甥がいるからねヒーローの決まりには詳しいんだ、だからこそだよ、このままでは本当に大学が壊滅してしまう」
「でも…」
「モンスターに気付かれる前に!早く!」
「わ、わかりました!」
やいろと石門は手を繋ぐと繋いだところからやいろの身体が輝き力がみなぎってきていた
「石門さん!ありがとうございます!」
と手を離し武器を太刀に変え建物を壊そうとするモンスターの右腕をばっさりと一刀両断した
モンスターが驚いている間に次はモンスターの左腕を軽々と切り落としモンスターは苦しみ叫び真っ二つとはいかないが身体の中心を引っ掻くように切るとモンスターは再び叫び消えてしまった
モンスターが驚いていたがやいろも力が強力すぎて倒したあとに驚きが止まらなかった
「おつかれさま」
「石門さん……ご、ごめんなさい!こんな危ないことに巻き込んでしまって!!」
「大丈夫だよ、日出平に住んでたら巻き込まれてるようなもんだから」
「あの、なんでペア、組んでくれたんですか?」
「興味があったんだ、陰で見てるとき君は隙だらけでね、あーもちろん特撮の殺陣とかと比べてだから参考にならないかもしれないけど、こんなヒヨコちゃんがペアの力や経験値を積んでどんなヒーローに、どんな大人に、キミ学生だろ?だからどうなるのか近くで見てみたかったんだ」
「石門さん……」
「ちょっとやなやつに聞こえるかもしれないけどね」
「じゃあ変身といて私自己紹介しますね」
変身アイテムのマスクを外しヒーローから大学生に戻るやいろ
「あれ……キミ最前列にいなかった……?」
「はい!石門さんのファンの猪亦やいろです!」
「ありがとう!これからよろしくね、やいろちゃん」
「はい!こちらこそよろしくお願いいたします!」
「夕暮れだね、ご飯でもおごるよ」
「本当ですか!やったー!今日バイト休みでよかった!!」
「それはよかった!とりあえず連絡先交換して……っておじさんの方から言うのあれだけど」
「大丈夫ですよ!」
「若い女の子と何食べるか困っちゃうな…」
「なんでもいいですよ!」
夕暮れの中何を食べようかと二人は賑やかに楽しそうに話していた